外壁塗装の新しい種類「無機塗料」とは?

外壁塗装を検討されているあなたが、どうしてこのページにたどり着いたのか考えてみると、おそらく外壁の塗り替えを検討しはじめたとき、聞き慣れない
「無機塗料」
という言葉に興味を持たれたからなのだと思います。
無機塗料という言葉は、新しい種類の塗料を表す言葉でして、まだあまり出回っていません。
また、無機塗料のことを研究したり勉強したりせず、従来の知識だけを利用してこれまでと同じ塗料ばかりを勧めている業者もいるのが現実です。
このように塗装業界でも知っている業者と、そうでない業者がいる中で、あなたが無機塗料について興味を持ち、調べてみようと行動されていることは大変すばらしいことだと私は思います。
そんなあなたのために、今回は無機塗料についてお話していきたいと思います。
Contents
1: 従来からある有機塗料と聞きなれない無機塗料の違いとは
外壁の塗料には、有機塗料と無機塗料があります。
それぞれ外壁を塗るときに使う塗料ではありますが、少しだけ性質が違います。
まずは、それぞれの性質についてお話していきます。
1.1: 有機塗料とは
これまで家の外壁塗装に使われてきた一般的な塗料は「有機塗料」と呼ばれる種類のものでした。
有機塗料とは、有機という言葉が表しているように石油など生命が作り出す物質を主成分にした樹脂で出来ています。
あなたもご存じの塗料である
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- フッ素
これらの塗料はすべて有機塗料の仲間です。
1.2: 無機塗料とは
有機の反対は無機ですね。
では、無機とはどのようなものなのかというと、
- 鉱物
- レンガ
- ガラス
化学的にいうと「炭素を含まないもの」を無機物といい、この無機物を含んでいる塗料を「無機塗料」と呼んでいます。
無機塗料は、鉱物やレンガ、ガラスをイメージしてもらうとわかりますが、紫外線にさらされても劣化することがありません。
高層ビルのガラスや、古い建物のレンガが劣化せず現存しているのと同じ状態を外壁に作り出そうとしているのです。
これは大変うれしいことですが、無機物は固いため塗料として使うことができません。はっきりいって、無機物のままですと外壁に塗ることができないのです。
これでは使い物になりませんよね?そこで現在使われている無機塗料には、有機物を混ぜて作ったものが利用されています。
ということは、外壁塗装で使う塗料は基本的に「有機塗料」なんですね。
そして、有機塗料に何パーセントの無機物が含まれているのかで、無機塗料の性能が変わってくるということです。
そして、ここでひとつ注意してもらいたい点があります。
世の中には残念ながら、悪意があるのかどうかはわかりませんが、質の良くないものを売ろうとする人がどの業界にもいます。
当然ですが、外壁塗装の業界にもいらっしゃいまして、無機物をほとんど含んでいないような塗料を「無機塗料」として高額で販売する人もいるのです。
確かに少しでも無機物を含んでいれば「無機塗料」なのかも知れませんが、それではあまりにも良心的ではありません。
こういった点も含めて、無機塗料について理解を深めていただけると幸いです。
2: 有機塗料と無機塗料のメリットとデメリット
次は有機塗料と無機塗料のメリットとデメリットを紹介していきます。
どんなものでも同じですが、メリットだけがあるものは存在しません。
使い方や使う環境によって、メリットにもなればデメリットにもなるものです。
2.1: 有機塗料のメリットとデメリット
<メリット>
これまでに多くの商品が出回っていますし、様々な研究によってバリエーションも豊富になっています。
また、従来からある塗料なので新しい知識や技術がなくても塗装できます。
ということは、塗料そのものの価格帯が広く、塗装業者の費用の幅も広いということです。
また、有機塗料は無機物のように固くありませんので、ひび割れに強いのもメリットと言えるでしょう。
<デメリット>
有機塗料は紫外線の影響を受けやすいです。
そして劣化する期間が短い傾向にあります。
また、無機物と比較すると耐火性が低いというデメリットもあります。
2.2: 無機塗料のメリットとデメリット
<メリット>
紫外線などの影響を受けにくいというメリットがあります。
また、劣化の進みも遅いので
- カビ
- コケ
- 汚れ
に対する予防効果も高い傾向にあります。
さらに、無機物なので耐火性や耐久性も高いと言えるでしょう。
<デメリット>
有機塗料と比較すると、価格が高いのがデメリットと言えます。
ただ、有機塗料を使った場合の耐久期間と無機塗料を使った場合の耐久期間を比較すると、無機塗料1回の塗り替えで維持できる期間の間に、有機塗料なら、2回から3回の塗り替えが必要になる可能性が出てきます。
1度の塗り替えだけを見ると有機塗料の方が費用もやすく済ませそうに思えますが、25年の間に2回の塗り替えを行うのなら単純計算で2倍の費用が必要になります。
また、足場が組まれ、シートで養生されている間、不便な生活を体験することも2回訪れますから、長い目で見る方ならデメリットとはいえないかもしれません。
続いて無機塗料のデメリットとして言われていることは、ひび割れしやすいということです。
これは無機物の特性である「固さ」による弊害とも言えます。
ただ、このデメリットは塗料を研究開発しているメーカーも心得ていますので、日々研究が行われています。
また、メーカーが開催する勉強会などに参加している塗装業者であれば、最適な施工方法を学んでいますので、ひび割れしにくい技術と知識で対処するのが一般的です。
確かに無機塗料でも絶対にひび割れしないとは言えませんが、どちらかと言えば、無機塗料を使って施工する業者の腕次第なところもあります。
続いて、もうひとつデメリットがあります。
これも近い将来解決されていくことだとは思いますが、現在の外壁に塗られている塗料によっては、無機塗料を塗ることができない場合があります。
理由は、無機塗料は今の外壁の塗膜表面と密着しにくいことがあるからです。こういったことを知らずに無機塗料を使うと、早々に新しい塗装が剥がれてしまいますので、外壁塗装の意味がなくなります。
このようなデメリットがありますから、無機塗料を使う場合は、
- 単に新しいから
- 良さそうだから
という理由だけで選んではいけないということなのです。
3: 無機塗料を賢く選ぶ方法
ここまでお話しましたように、無機塗料にはメリットとデメリットがあります。
また、無機塗料に限りませんが、外壁塗装に関しては施工する業者の腕が大きく影響することは確かです。
ですから、無機塗料を選ぼうかと考えておられるのなら、きちんと無機塗料について勉強し、知識と技術をもった業者へ依頼されるのがベストだと思います。
手っ取り早い確認方法は、
- ホームページで無機塗料について情報発信しているか
- これまで無機塗料を使った塗装をした事例があるか
まずはこの2つを確認しておくことが必要です。
4: まとめ
無機塗料は、ここまでお話ししましたように、まだまだ新しいものなので今後は改良され、もっと使いやすくなっていくのだろうと思っています。
そして、従来の塗料ではなく無機塗料を選ぶ方も増えていくのではないかと思っています。
私たちニュータイトとしては、お客様のお家に適した塗料を提案し、できるだけ長く維持できる外壁塗装を行いたいと考えています。
あなたのご相談に対して提案する中で「無機塗料がいい」と思いましたら、私たちはデメリットも含めて正直にお伝えしていくつもりです。
あなたからのご相談をお待ちしております。